02.「何から始めるか」は目的で変わる

ブランディングに取り組む際の基本的フロー ブランディング

こんにちは、「ブランディングフォース!」masahiko oishiです。

この記事では、ブランディングに取り組む際の「基本的な」手順、フローについて説明しています。
「基本的な」と書いたのは、ブランディングを導入する目的によって、アプローチする方向や収集すべき情報などがケース・バイ・ケースで変わってくるからです。

第一段階.準備・インプット・分析と課題化

クライアント企業から、「ブランディングに取り組みたい」という相談があったとします。
ブランディングフォース!では、まずその目的を明らかにし、クライアントと共有するために「第一段階.準備・インプット・分析と課題化」のプロセスを実施します。

1-1.課題発見ファシリテーション

まず「ブランディングに取り組みたいが、どこから手を付ければ良いのかわからない」という場合には、「具体的にいまどんなお困りごとがあるのか」「仮にどういう状態をゴールと考えているのか」をヒアリングするところから始めます。
ヒアリングの対象者は原則として経営陣です。担当者や部署、プロジェクトチームが決まっている場合は、共に協力体制を築いてディスカッションを行い、情報共有に努めます。

この段階でのサービスを、ブランディングフォース!では「コンサルテーション」ではなく「ファシリテーション」と位置づけます。答えは常にクライアントの側に潜在しており、私たちはその気づきを支援する立場にある、と考えているからです。

1-2.作業設計

目指すゴールと現状との乖離状況を知るには、リサーチと分析が必要です。どんな情報を収集する必要があるのか、参照できる既存データはあるか、従業員の考えはどうか、商品や店舗ではどんなメッセージが発せられているのか、など明らかにすべき作業をプログラム化し、予算とスケジュールを作成します。必要に応じ、社内外協働のプロジェクトチームを編成します。

1-3.調査

定性調査と定量調査のふたつを使い分けて行います。課題を明確化したり、ブランドにとって最も大切な「理念」の素材を探るため、たとえば職位や職制に応じてインタビューやアンケートを実施します。また広報・広告などのメディアや店舗におけるコミュニケーションなど、想定されるステークホルダーとのタッチポイントを洗い出し、そこでの状況をリサーチします。

1-4.既存情報の収集

ブランドの方向性に大きく影響を与える「中期経営計画」や事業ビジョン、市場状況を示すマーケティングデータ、業界の動向など、社内外における必要情報の収集に努めます。

1-5.分析と課題の明確化

知りえた情報をもとに、対象とするブランドにどのようなステークホルダーが存在し、どんなタッチポイントがあるのかを明らかにします。そのうえで、戦略との整合性を評価し、問題点と課題を浮き彫りにします。

第一段階のプロセスを経て、当該案件における「ブランディング」の目的とゴールを設定します。
ここで初めて、「何のためにブランディングに取り組むのか」という視座をはっきりと意識するわけです。
分析結果と課題提示は、レポーティングおよびプレゼンテーションの機会を設け、経営層あるいは全従業員に対し公開していきます。
※実は、このとき既にインナーブランディング(社内向けのブランディング)がスタートしています。

第二段階.具体的なブランディング施策の実施

理念要素はさまざま。

第二段階では、明らかにされた目的に対し、行うべき適切なブランディング施策を展開していきます。
以下は、その一例となります。

2-1.理念要素の明確化、言語化、体系化

企業理念のない企業、核となるマインドを持たないブランド、というのは実は存在しません。どんな企業・ブランドも「何のために、なぜ存在しているのか」という拠り所を必ず持っています
ただ、それが言語化されていない場合が往々にしてあるのです。これが明確になっていないと、社内で価値観を共有したり、コミュニケーションの質を判定したり、何が競合と差別化するポイントなのかを自覚することが難しくなります。

理念要素というと、次のような言葉が連想されますね。

  • 社是・社訓
  • 信条・使命
  • Mission ミッション
  • Vision ビジョン
  • Value バリュー
  • クレド

呼び方はいろいろありますが、重要なのは「そのブランドは何を目指し何を提供するのか」という中心概念です。ブランディングの本を読んで、「とにかくMVVとクレドを作文しなければならない」と思う必要はありません。社内になんとなく漂っている文化や、創業時の精神など、混沌としていて形にならない要素も少なくないのです。自分たちのブランドに独自の価値感を見つけ出し、それを言語化することで、ブランドの核がブレることなく、はっきりと自覚できるようになっていきます。

2-2.インナーブランディング

ブランディングが大切だ、ということを経営陣や、一部のスタッフだけが認識していても、多くの従業員が同じ考えでいるとは限りません。むしろ、「忙しいのにまた迷惑なプロジェクトが始まった」と思っているのかもしれないのです。

単に「いま、なぜブランディングなのか」を教育し、「我々のブランドはこうだ」と理解を求めるだけではなかなか効果が出にくいものです。早い段階、たとえば導入の目的を検討したり、調査に参加してもらったり、理念を抽出・言語化するプロセスで社内を巻き込みながら、共にブランドを創り上げていく。それがインナーブランディングの理想像です

社内システムやSNSなどのデジタル媒体と、チーム交流・研修イベントなどのコト媒体、社内報やブランディングニュース、ブランドブックなどの印刷媒体をミックスしながら、インナーの意識形成を図ることが、この段階の目的となります。

2-3.アウターブランディング

社内向けのインナーブランディングに対し、外部に向けたブランディング活動を「アウターブランディング」と呼びます。
「インターナル…」「エクスターナル…」と呼ぶこともありますが、意味は同じです。

外部向きというとお客さま、商品・サービスの対象者に向けたブランディング活動、と思われるかもしれません。しかしブランドを取り巻く関係社会(ステークホルダー群)はそれだけではないはずです。

  • 自社の従業員(パート、アルバイト含む)
  • 関係会社、協力会社
  • 取引先(仕入れ先、購買先)
  • 求職者(学生、転職希望者)
  • 株主、出資者
  • 業界団体
  • 地域社会
  • 外部メディア、報道機関

それ以外にも、多様な対象社会が存在します。
これらのステークホルダーに対し、どんなメッセージを、どんなタイミングで、どの媒体で伝えていくのか。これを設計し、展開するのがアウターブランディングの全体像となります。

ブランディングフォース! のチーム体制

私たちブランディングフォース!は、クライアントの状況とご希望に応じて、適切にチームを組んでブランディングを支援していきます。
特に、視覚デザインやweb上のクリエイティブに関しては、千葉・東京・横浜・ロンドンで連携し、日本国内から海外までデザイン提案を行う専門チームとの業務提携態勢を用意しています。

ホームページ制作・ブランディングデザイン事務所 visual art(千葉)

ブランディングに関するご質問やお問合せ、お見積りのご希望などがございましたら、
どうぞお気軽に問い合わせフォームよりご連絡ください。主宰のmasahiko oishiより、ご連絡させていただきます。

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